The technology of Nuclear Medicine : From Kyushu

一般演題抄録

 

01

123I-Ioflupane SPECTの新しい定量法のためのMR画像を用いた自動線条体関心領域設定プログラムの開発

発 表 者 大田 哲 (熊本大学大学院保健学教育部)
共同研究者 内山 良一1) 高木 昭浩2) 伊藤 茂樹1)
1)熊本大学大学院生命科学研究部
2)帝京大学

【目的】
Specific binding ratio (SBR) は123I-Ioflupane single photon emission tomography (SPECT) における評価方法の1つである. しかしながら, reference region of interest (ROI) が変化しやすいためSBRの正確性が損なわれる場合がある. 我々はEANM 2015 annual meetingにおいてこのプログラム改善のためのpartial volume effect (PVE) 補正における新しい123I-Ioflupane 線条体定量法を報告した. この手法は以下5つの手順によっておこなわれる : 1) MR画像とSPECT/CTのfusion, 2) MR画像におけるROI設定, 3) ROIにおけるSPECTカウントのPVE補正, 4) Counts activity 変換, 5) 線条体uptake値とSBRの計算.
画像fusionプログラムは先の論文で報告した. しかしながら, SPECT/CT/MRI画像fusion後, 手動で線条体ROI設定をおこなっており, 煩雑である. 自動線条体ROI設定プログラムを開発できれば, 手動操作を必要とせず数分間で解析を終えることができる. 過去にいくつかの線条体ROI設定プログラムが報告されているが, MR画像による個々の患者へのROI設定方法であることが重要である.
本研究の目的はMR画像における自動線条体ROI設定プログラムを開発することである.

【方法】
我々はLevelset法によってMR画像における線条体ROI設定プログラムを開発した. MR画像はPhase-sensitive inversion recovery (PSIR) のシーケンスを選択した. プログラムの正確性は, 5症例によって評価した. プログラムによって得られた各スライスでのSPECT画像における線条体カウントを手動によるカウントと比較した.

【結果】
自動プログラムを用いたROIは数分で設定された. 自動プログラムによるROIは視覚的に手動によるROIとおおよそ一致した. 自動, 手動間でのSPECT画像の線条体カウントの違いは±3%以内であった.

【結論】
MR画像解析を用いた線条体ROIは, 123I-Ioflupane SPECTにおける定量法に適応可能である.

02

臨床におけるドパミントランスポータイメージングの新定量法の有用性

発 表 者 金縄 貴之 (熊本大学医学部附属病院)
共同研究者 伊藤 茂樹1) 太田 哲2)
1)熊本大学大学院生命科学研究部
2)熊本大学大学院保健学教育部

【目的】
パーキンソン病を含むパーキンソン症候群等の診断に用いられるドパミントランスポータイメージングの評価法は線条体および脳内の集積比, 他に線条体の形状変化等の視覚評価によって行われる.しかし,現行の脳内集積比算出方法は,SPECT装置およびシステム性能に大きく依存し,測定誤差も大きいことから,新たな定量法の開発が必要である. そこで,基礎実験(ファントム実験)により,最適SPECT画像再構成法,部分容積効果に対する線条体計数値補正法,関心領域(ROI)設定法を構築することによって,新たな定量法を開発した.現時点では,人体を模擬したファントムによる成果であり,本定量法の有用性を臨床的に明らかに必要がある.本研究の目的は,臨床試験によって本定量法の妥当性および有用性を明らかにすることである.

【方法】
頭部MRI画像から線条体関心領域(ROI )および脳実質ROIを作成し,
MRI-核医学融合画像上の各ROI計数値から,放射能-計数率変換係数を用いて放射能濃度を得た後,線条体摂取率及び線条体-脳実質比(新SBR)を算出した.新SBRと従来SBRを比較することによって,定量評価法の有用性明らかにした.

【結果】
従来SBR法はLBD群および非LBD群の有意差が見られなかったが,摂取率および新SBRでは顕著な有意差が認められた。鑑別能では摂取率の感度が100%、特異度が約70%、新SBRは感度75%、特異度100%、従来SBRの感度75%、特異度83%であった。

【結論】
新たな定量評価法は従来法よりも鑑別能に優れていると考えられた。

03

非侵襲的123I-IMPマイクロスフィア脳血流定量法(SIMS)による局所脳循環予備脳評価

発 表 者 是枝 大地 (熊本大学保健学教育部)
共同研究者 内山 良一1) 大田 哲2) 田中 雄大2)伊藤 茂樹1)
1)熊本大学大学院生命科学研究部
2)熊本大学大学院保健学研究部

【目的】
我々は,N-isopropyl-p[123I]iodoampheamine(123I-IMP)を用いてマイクロスフェア理論に基づく非侵襲的脳血流定量法(SIMS法)を開発した.本法は,安静時の脳血流のみの検討であり,負荷時における精度を確認する必要がある.本研究の目的は,SIMS法による局所脳血流量増加率(%increase)とARG法の%increaseとを比較することにより,SIMS法が負荷時での適用可能性を明らかにすることである.

【方法】
対象は,SIMS法およびARG法が同病態期に施行された16例とした.血行動態理論に基づいて,123I-IMPの肺への流入量とWashout ratio の積から入力関数を得た.採血値と入力関数の関係を明らかにし,rCBF値を算出した.SIMS法およびARG法により負荷時及び安静時のrCBFを求め,rCBF及び脳血流増加率を比較し,両者の関係を明らかにした.

【結果】
SIMS法とARG法の安静時及び負荷時のrCBFを比較した結果,ARG法におけるrCBFはSIMS法より9%低値であった.しかしARG法及びMS法の誤差要因を考慮すれば,両者はほぼ等しい.ARG法及びSIMS法の脳血流増加率(%increasae)も同様の結果となった.

【結論】
SIMS法は,ARG法同様に局所脳循環予備脳評価を行うことができる.

04

99mTc-ECD非侵襲的定量法(IBUR法)における入力関数決定のためのTAC自動ガンマ関数フィッティングプログラム

発 表 者 田中 雄大 (熊本大学保健学教育部)
共同研究者 内山 良一1) 大田 哲2) 高木 昭浩3) 伊藤 茂樹1)
1)熊本大学大学院生命科学研究部
2)熊本大学保健学教育部
3)帝京大学福岡医療技術学部

【目的】
我々は99mTc-ethyl cysteinate dimmer single photon emission computed tomography(99mTc-ECD SPECT)の新たな非侵襲的定量法Improved Brain Uptake Ratio法(IBUR法)を開発した.99mTc-ECD-IBUR法の入力関数は胸部RI-angiography の画像解析によって決定される.すでに,入力関数決定のための,自動region of interest(ROI)設定アルゴリズムは完成し,その精度も証明できた.したがって,この解析の数学的解析部分であるTime activity curve(TAC)の自動ガンマ関数フィッティングプログラムが構築されれば,完全な自動解析により,煩雑な方法を用いることなく,局所脳血流量決定を数秒で行うことが可能となる.本研究の目的は,99mTc-ECD-IBUR法における自動ガンマ関数フィッティングプログラムを構築し,本法の実用性を確かめることである.

【方法】
胸部RI-angiography画像のTACの混合ガンマ分布に対するガンマ関数フィッティングプログラムは,expectation-maximization アルゴリズム(EMアルゴリズム)を用いて作成した.99mTc-ECD胸部RI-angiographyおよびSPECT が施行された23例を対象に,自動ガンマ関数フィッティングプログラムと,手動でのガンマ関数フィッティングで求められたArea under the curve(AUC)を比較した.

【結果】
自動ガンマ関数フィッティングプログラムと手動ガンマ関数フィッティングでは,高い一致率を示した.自動ガンマ関数フィッティングプログラムの解析時間は2~4秒であり,手動の約3分と比べて処理時間が大幅に短縮された.手動では検者によるAUCのばらつきが見られたが,自動ガンマ関数フィッティングプログラムでは,ばらつきが小さく,高い再現性が確認できた.

【結論】
99mTc-ECD IBUR法の入力関数決定のための自動ガンマ関数フィッティングプログラムを構築した.本法は,高い再現性を有しており,処理時間も短いことから,臨床現場における解析作業の効率化および患者スループットの改善に大きく貢献できると考えられた.

05

123I-Ioflupane SPECTの適正化に向けたコリメータ選択の検討

発 表 者 河野 将司 (産業医科大学病院)
共同研究者 黒田 環1) 中村 英史1) 吉塚 伸行1) 前田 和希1) 宮原 淳一1)
1)産業医科大学病院

【目的】
123I-Ioflupane SPECT検査において、コリメータの選択は画質や定量評価(Specific Binding Ratio : SBR)に影響を及ぼす。そのため、検査の最適化のためには、コリメータの特性を把握し、より検査に適したものを選択する必要がある。
そこで、ファントムを用いてコリメータの特性を比較することで、当院における123I-Ioflupane SPECTに適したコリメータを検討した。

【方法】
ガンマカメラはGCA9300R(東芝メディカルシステムズ)、ファントムはSPECT用性能評価ファントムJSP型(京都科学)および線条体ファントム(NBS)を使用した。FANSHRとFANHRコリメータにてSPECT画像を取得した。
感度特性として、コリメータの違いによる収集カウント(cps)の変化を評価した。次に、性能評価ファントムより得られた画像を用いて、陰性像および陽性像検出能、空間分解能を求め、コリメータによる違いを比較した。線条体ファントムより得られた画像からSBRを算出した。コリメータの違いによる変化をみることで、定量評価への影響を検討した。

【結果】
FANHRはFANSHRより感度が高く、同一収集時間ではFANHRを用いることでFANSHRの1.5倍のカウントを得ることができた。画像評価の結果はFANSHRがより高い空間分解能を示したが、同一収集時間での陰性像、陽性像の検出能においては大きな差はみられなかった。定量評価に関しては、FANSHRに比べFANHRがより高い数値を示した。

【結論】
コリメータ特性を比較・検討した結果、収集時間および定量評価の観点からFANHRを用いることで、より適正な検査が実施できる。

06

I-123線条体SPECTにおける散乱線・減弱補正処理の効果についての基礎的検討

発 表 者 阿蘇品 彩奈 (熊本地域医療センタ-放射線部)
共同研究者 野口 輝也1) 古嶋 昭博2)
1)熊本地域医療センター
2)熊本大学生命資源研究・支援センター

【目的】
I-123線条体SPECTにおいて、散乱線・減弱補正処理の有無やそれらの処理条件が線条体イメージの視覚的評価や半定量的なSBR値算出に与える影響について、3種類のコリメータを用いた線条体ファントム実験により調べた。
【方法】
東芝製ガンマカメラSymbia Eと低エネルギー用高分解能(LEHR)、低中エネルギー用汎用(LMEGP)、中エネルギー用低透過(MELP)の3種類のコリメータを用いて、右と左線条体とBGのI-123放射能濃度比を8:4:1にした線条体ファントムのSPECT収集を行った。Butterworthフィルター(cutoff 0.5 c/cm、order 8)による前処理後、OSEM(iteration 10, subset 10)で再構成を行い、TEW法またはIDW法による散乱線補正のみ(SC)、Chang法による減弱補正のみ(AC)、両方補正する場合(SCAC)としない場合(NC)の4種類のイメージを作成した。ACとSCACに対しては線減弱係数μ値を0.05 /cmから0.146 /cmまで変化させた。全てのイメージに対して視覚的な画質評価を行うとともにBolt法による計算式を用いてSBR値を算出した。
【結果】
全てのコリメータにおいてNCとSCでは真のSBR値を過小評価した。しかし、ACとSCACではμ値が大きくなるにつれてSBR値も増加し、さらに真のSBR値を得ることができるμ値があることがわかった。真のSBR値(右線状体7、左線状体3)に近くなるそれぞれのμ値は、LEHRにおいてはACで0.11 /㎝、SCACで0.075 /㎝、LMEGPにおいてはACで0.09 /㎝、SCACで0.065 /㎝、MELPにおいてはACで0.09 /㎝、SCACで0.072 /㎝となった。また、ACとSCACを比較すると、SCACの方が散乱線除去による効果で線状体部が明瞭になりコントラストも上がった。
【結論】
ACとしてChang法による減弱補正を用いる場合、コリメータ毎に適当なμ値を選ぶことにより真値に近いSBR値が得られるSPECTイメージを作ることができる。従って、空間分解能に優れるLEHRコリメータによるデータ収集を行いSCACによるデータ処理を行えば、線条体の形状やコントラストを視覚的に向上でき、同時にSBR値を正確に測定する線条体イメージングの可能性が期待できる。しかし、線条体の計数率が低い場合は,計数効率が高いLMEGPコリメータの使用も有効になると考えられる。

07

ドパミントランスポータ(DaT)イメージングの多施設共同研究
‐SBR算出に係る全脳VOI ThresholdとInwardとの関係-

発 表 者 古田 祐己 (国立病院機構熊本医療センター)
共同研究者 山室 勇太1) 福島 智2) 中西 健介3)
1)熊本赤十字病院
2)くまもと森都総合病院
3)熊本総合病院

【目的】
熊本地区核医学技術懇話会のもと、ドパミントランスポータ(DaT)イメージングの最適画像処理条件を求めるために各施設でファントム実験を行った。Specific Binding Ratio (SBR)値算出の際、非特異的結合部位の体積を決定する全脳VOI Threshold(以下Threshold)とInwardの設定に対して明確な基準がない。装置・収集条件・再構成条件が異なれば、カウントも変化することから撮像装置毎に適切な値を設定する必要がある。本研究の目的は、装置毎に最適なThreshold とInwardの値を求める事である。

【方法】
線条体、バックグラウンドカウント比8:1の線条体ファントムを用い、各装置 (SIEMENS、Philips、GE)において、低エネルギー用高分解能(LEHR)コリメータにて収集したプロジェクションデータに対し、画像再構成法はfiltered back projection(FBP)法を用い、前処理フィルタにButterworth
(order:8 cut off:0.6)、減弱補正(Chang μ=0.06)のみを行ったSPECT画像を作成した。解析にはDatView(日本メジフィジックス株式会社)を用い、Inwardを5mm、10mm、15mm、20mmに変化させThresholdをそれぞれに対し10%~70%(10%間隔)に変化させたときのSBR値を算出した。

【結果】
各装置ともに、Inward5mmではThreshold10%~50%でSBR値は高い値を示し、Threshold60%以上でSBR値はほぼ一定の値を示した。 Inward10mmではThreshold10%~30%でSBR値は高い値を示し、Threshold40%以上でSBR値はほぼ一定の値を示した。Inward15mmではThreshold10%でSBR値は高い値を示し、Threshold20%以上でSBR値はほぼ一定の値を示した。Inward20mmではThresholdの値に関係なくSBR値はほぼ一定の値を示した。

【結論】
同一のThresholdとInwardにおいても各装置から算出されるSBR値には違いが認められた。そのため各装置における最適なThresholdとInwardを設定することが重要である。

08

ドパミントランスポータ(DaT)イメージングの多施設共同研究
‐平滑化フィルタ処理条件での画質および位置分解能に関する検討-

発 表 者 永田 智信 (済生会熊本病院中央放射線部)
共同研究者 野口 輝也1) 大野 和弘2) 井上 信哉3) 白川 裕一4) 亀崎 亮佑4)
1)熊本地域医療センター
2)魚住クリニック
3)熊本医療センター
4)熊本大学医学部附属病院

【目的】
123I-イオフルパンはドパミン神経の変性疾患の診断において、ドパミントランスポータ(DaT)を画像化する脳機能イメージング剤として用いられている。しかし、国内における撮像条件および画像処理条件は、機種ごとに異なり、確立されていない。そこで今回、熊本県内の核医学診療施設にて、機種毎の最適撮像条件・画像処理条件を検討する機会を得た。
本研究の目的は、装置、コリメータ毎に各種画像補正を組み合わせた再構成画像を用いて、平滑化フィルタ条件によるDaTイメージングにおける線条体の画質および分解能を測定し、最適条件を検討することである。

【方法】
線条体ファントム(DAT1308型/NBS社製)を統一条件下で撮像し、各装置、コリメータ毎に減弱、散乱補正の有無および再構成法(FBP・OS-EM)の組み合わせにおいて、バターワースフィルタのCut-off周波数を変化させた。コントラスト比、バックグラウンドの均一性(変動係数)、分解能(FWHM)を測定し、併せて視覚評価を行った。Orderは8で固定し、Cut-off周波数の値は0.3~1.0 cycle/cmまで0.05刻みで変化させた。

【結果】
コントラスト比はCut-off周波数0.6cycle/cm程でピークを迎え、散乱補正を入れた方が高くなる。FWHMはCut-off周波数0.6cycle/cm程で最小となり、FBPよりOS-EM再構成にて良い傾向であった。変動係数はCut-off周波数0.35cycle/cmで低値となった。視覚評価のスコアはCut-off周波数0.6cycle/cmで高かった。

【結論】
今回の結果において装置全般的に、減弱・散乱補正を入れOS-EM再構成法を行い、バターワースフィルタのCut-Off周波数は0.6cm/cycle程度で良いと示唆された。

09

ドパミントランスポータ(DaT)イメージングの多施設共同研究
~DaT Viewにおける線条体のオブリーク処理とSBR値・AI値の関係~

発 表 者 高倉 清悟 (国立病院機構熊本医療センター放射線科)
共同研究者 岡田 和弘1) 山本 真矢2) 堺 枝里子3) 吉田 有作4)
1)慈恵病院
2)魚住クリニック
3)熊本大学医学部付属病院
4)熊本市民病院

【目的】
熊本地区核医学技術懇話会のもと、トランスポータ(DAT)イメージングの最適画像処理条件を求めるために各施設でファントム実験を行った。DATイメージングは画像処理条件、頭部の傾きが定量的評価に影響すると考えられる。そこで当研究班は、コリメータ、補正の有無、再構成方法、角度設定の差異が、SBR (Specific Binding Ratio)値、AI (Asymmetry Index) 値に与える影響を検討した。

【方法】
シーメンス(Symbia-E)で収集した線条体ファントム(線条体とB.Gの比が8:1)について減弱補正(AC)・散乱線補正(SC)の有無におけるFBP・OSEM法で再構成した画像(計8通り)に対して、サジタル・コロナル・アキシャルの各断面に対して、-25,-15,-10,-5,0,5,10,15,25度ずつ変化させた画像に対して、SBR値、AI値を求めた。また、今回得られた理論値に最も近い条件で、SBR、AI値が大きく変動する断面について、9施設において解析し、施設間に差異がないか調べた。

【結果】
SBR値について、各コリメータのFBP・OSEM再構成はサジタルに関して、角度が大きくなるほど、高値を示した。
各断面0度のときACー、SCーで理論値7より低く、AC+、SC+のとき7を超えた。最も理論値に近いのはACー、SC+だった。FBPのSBR値はOSEMと比較すると高値を示した。また、LEHRのSBR値はLMEGPと比較すると高値を示した。
AI値について、FBP・OSEM再構成は、コロナルに関して、0度から離れるほど変動が大きくなった。FBPの AI値はOSEMと比較すると低値を示した。
多施設について、値の若干の違いはあるものの同様の傾向を示した。

【結論】
SBR値について、サジタル、AI値について、コロナルの傾きに注意する必要がある。またSBR値について、理論値に最も近い条件は、各断面0度においてLEHR、ACー、SC+、FBP法であった。

10

ドーパミントランスポータシンチグラフィにおける解析ソフトの比較

発 表 者 田中 嵩人 (鹿児島大学病院放射線部)
共同研究者 藤坂 智史1) 松本 俊也1) 西郷 康正1)
1)鹿児島大学病院

【目的】
当院ではドーパミントランスポータシンチグラフィ(以下ダッドスキャン)において視覚評価及び定量評価指標としてDatview(株式会社 AZE)のSpecific Binding Ratio(以下SBR)を用いて放射線科医のもと診断を行っている。ダットスキャンでは脳実質への集積が乏しく基準線であるAC-PCラインの設定をAC-PCアシストを使用後に手動で微調整を行っているため担当技師ごとの主観に影響されやすくばらつきが生じやすいと考えられる。
今回、各解析ソフト3種類[Datview(株式会社 AZE), DATQUANT(GEヘルスケア・ジャパン株式会社), QSPECT DAT(日本メジフィジックス株式会社)]を用いてSBRの相関性および技師間におけるばらつき・再現性について比較検討する。

【方法】
① 2015年2月から2017年3月までにダットスキャンを施行した約80症例を対象に、各解析ソフトを用いてSBRの相関性について比較検討を行う。
② 線条体に正常に集積している症例(以下、正常例)と集積が低下している症例(以下、異常例)において同一術者が10回ずつ解析しそれぞれにおけるSBRの再現性について比較検討を行う。また、技師間(ダットスキャンの解析に携わっている年数0~2年の技師3名)におけるSBRの再現性においても比較検討を行う。

【結果】
① 現在当院で使用しているDatviewと他の2つの解析ソフトの間には強い相関関係が認められた(いずれもR>0.9)。
② SBRの再現性においては、他の2つの解析ソフトに比べてDATQUANTを用いて自動的にSBRを算出した場合、バラつきは最も少なくなった。また、技師間においては、Datviewを用いた場合経験年数が多いほどSBRのバラツキが少ない傾向となった。

【結論】
ダットスキャンは定量的評価としてSBRの値や左右線条体のSBRの差によって診断に影響を与える可能性があり、技師間におけるバラツキが少ないことが重要と考える。現在当院では、Datviewを用いて半手動でAC-PCラインの設定を行い、ダットスキャンの解析を行っているため技師の主観によりSBRの値にバラツキが生じやすかった。今回DATQUANTがDatviewとの相関性も高く、術者間におけるSBRのバラツキも少なくなり再現性の高い精度の良い解析であり有用であると考えられる。

11

123 I-Ioflupaneにおける外観から基準線を導く方法

発 表 者 矢邉 孝平 (飯塚病院中央放射線部)
共同研究者 中村 浩太1) 関川 祐矢1) 西谷 芳徳1)
1)飯塚病院

【背景】
パーキンソン病およびレビー小体型認知症における黒質線条体を描出する123I-Ioflupaneを用いた頭部SPECT検査において収集画像を再構成する際、推奨されている基準線である前交連(Anterior Commissure:AC)と後交連(Posterior Commissure:PC)を結ぶ線(以下、AC-PCライン)をSPECT画像上で設定することは困難である。SPECT収集時に眼窩下縁耳孔線からのAC-PCラインの角度が分かれば、容易にAC-PC断面で再構成が可能であると考えた。

【目的】
本研究の目的は、123I-Ioflupaneを用いた頭部SPECT検査においてAC-PCラインが眼窩下縁耳孔線からの最適角度αを検討することである。

【対象】
2016年9月1日から2016年12月27日の間に頭部3D-CT撮影を行った60症例(男性30症例、女性30症例)を対象とした。

【方法】
角度計を使用し、技師間での角度測定の誤差を計測する。また、頭部3D-CT画像を3Dワークステーションを用いて性別における眼窩下縁耳孔線からのAC-PCラインの角度αの検定及びヒストグラムを作成する。
頭部3D-CT画像を3Dワークステーションを用いて測定した男女別の平均角度は男性が5.4±0.2度、女性が5.0±0.2度となり、検定を行ったところ有意差がない結果を得た。全症例の平均角度は5.2±0.2度となった。また、男女60症例から角度のヒストグラムを作成したところ、最頻値が6度となった。技師間の角度測定では大きな誤差は得られなかった。

【考察】
男女におけるAC-PCラインの角度において検定を行ったところ、有意差がないことが得られたのは眼窩下縁耳孔線からのAC-PCラインの角度において男女の差がないことが示唆される。また、角度計を用いた技師間の角度測定で大きな誤差がなかったことは、安定した計測が行えていることが示唆される。

【結論】
今回検討した角度で最適な角度が6度となり、123I-Ioflupaneを用いた頭部SPECT検査において収集時に角度計を用いて眼窩下縁耳孔線の角度を測定することによってAC-PC断面を簡易に再構成することが可能である。

12

Ra-223の放射能測定方法の検討(バイアル差分測定とシリンジ測定の比較検討)

発 表 者 奥野 浩二 (長崎大学病院医療技術部放射線部)

【目的】
「塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュアル」において、定められた容器(バイアル瓶)に封入されたRa-223を井戸型電離箱にて測定する事が推奨されている。今回、バイアル測定(差分)とシリンジ測定とでの違いを検討した。

【方法】
4種類のディスポシリンジ(1ml、2.5ml、5ml、10ml)において採液量を、4~5段階(1mlシリンジにおいては0.2~0.8mlまで0.2ml毎、2.5mlシリンジにおいては0.5~2.0mlまで0.5ml毎、5ml・10mlシリンジにおいては1.0~5.0mlまで1ml毎)に変化させ、井戸型電離箱(キュリーメータ)にて放射能を測定し、バイアル差分(採液前-採液後)測定の放射能と比較する。

【結果】
バイアル測定(差分)値とシリンジ測定値の関係には高い相関が認められた(y=0.9952x+0.0028 R2=0.9996)。測定値の誤差は、1mlシリンジ(‐6~+10%)、2.5mlシリンジ(-3~+2%)、5mlシリンジ(-2~+1%)、10mlシリンジ(-3~+4%)であった。

【結論】
2.5ml、5ml、10mlシリンジにおいては、シリンジ測定とバイアル測定(差分)の差は少なく、シリンジ測定での運用も可能であることが示唆された。

13

99mTc-tetrofosmin薬剤負荷心筋血流シンチグラフィにおける食事及び負荷方法による心臓・肝集積の影響に関する検討

発 表 者 住吉 友美 (宮崎大学医学部附属病院放射線部)
共同研究者 四元 雄矢1) 川畑 貴彬1) 平田 祐介1) 山下 暁斗1)
小味 昌憲1) 鬼塚 久充2) 水谷 陽一1)
1)宮崎大学医学部附属病院放射線部
2)宮崎大学医学部附属病院循環器内科

【目的】
99mTc-tetrofosmin (TF)心筋血流シンチグラフィを行う際には、肝臓のRI集積の程度はアーチファクトを出現させる要因となる。従って、RI投与後に食事摂取を行うことで撮影時の肝集積が低下することが知られている。当院では、以前までは医師のスケジュールや病院食の事情によりRI投与前に食事摂取を行うように検査スケジュールを設定していたが、現在はRI投与後に食事摂取を行えるようになった。また、当院では運動負荷に比べて薬剤負荷の検査件数が圧倒的に多く、薬剤負荷の場合、軽度運動負荷を併用することで肝集積が低下するという報告がある。本検討では、99mTc-TF薬剤負荷心筋血流シンチグラフィにおいて、食事摂取のタイミングや軽度運動負荷併用の有無が、心臓および肝集積に及ぼす影響に関して検討を行った。

【方法】
使用機器はSIEMENS社製Symbia True Point SPECT-CTで、Cardiac Collimatorを用いた。対象は、当院で99mTc-TF負荷心筋シンチグラフィを行い、RI投与前に食事摂取をした(以下前食とする)24名 (薬剤のみ13名、軽度運動併用11名)及びRI投与後に食事摂取をした(以下後食とする)18名 (薬剤のみ10名、軽度運動併用8名)である。評価方法として、胸部正面の静止像において心筋、肝臓、縦隔に任意のROIを設定して平均カウント値の測定を行い、心臓/縦隔比及び肝臓/縦隔比を求めた。

【結果】
前食と後食を比較すると、心臓/縦隔比は両者間で同等であった。後食における肝臓/縦隔比は前食よりも低値であった。軽度運動負荷を併用すると、前食における心臓/縦隔比は後食よりも高く、前食における肝臓/縦隔比は後食よりも低かった。なお、後食における肝臓/縦隔比は軽度運動負荷の有無で差は見られなかった。

【結論】
99mTc-TF薬剤負荷心筋血流シンチグラフィでRI投与前に食事摂取する場合、軽度運動負荷を併用することで心臓の高集積且つ肝臓の低集積を得ることができ、診断能の向上につながると考えられた。

14

異なる装置間におけるディジタルファントムを用いたGI-BONE定量値の検討

発 表 者 平田 祐介 (宮崎大学医学部附属病院)
共同研究者 四元 雄矢1) 住吉 友美1) 川畑 貴彬1) 山下 暁斗1)
佐藤 勇太1) 児玉 博和2) 小谷 高志3) 小味 昌憲1)
1)宮崎大学医学部附属病院
2)宮崎県立宮崎病院
3)宮崎県立日南病院

【目的】
Tc-99m骨シンチグラフィを行う患者の中には当院で治療前の骨シンチグラフィ検査後、治療を行い他院にて経過観察を行う場合がある。GI-BONEで得られる定量値のSUV (standardizad uptake value)は各装置ごとにBCF(Becqurel calibration factor)でキャリブレーションされているため装置や施設間で値が変わらないことが理想的であるが、装置特性や収集条件、再構成条件が異なるため同一になることはない。異なる施設間でSUVの差を比較することは核種の調達やファントムの有無等により困難である。そこで仮想ディジタルファントムを使って異なる装置や施設間のSUVを評価できないか検討を行った。

【方法】
当院の2台のSIEMENS Symbia_True_Point SPECT-CT装置間の比較を行うため、NEMAファントムを参考にしたホット球とバックグラウンドの放射能濃度比が7:1のディジタルファントムをProminence_Processorで作成。当院の各装置で収集、再構成した場合のディジタルファントムのデータを作成した。また、装置2台でNEMAファントムを収集し、実測データを得た。ディジタルデータと実測データをGI-BONEにて解析を行い、SUVについて評価した。施設間による比較を行った。

【結果】
当院の2台のSPECT-CT装置間ではディジタルデータにおけるSUVに差はほとんど無かった。また、実測データについてはホット球が大きい場合に装置間でSUVの0.5程度の差が認められた。しかしながら、ディジタルデータと実測データのSUVには相関係数0.9以上が得られた。他施設との比較においては会場で報告する。

【結論】
今回の実験では当院の2台のSPECT-CT装置においてGI-BONEで解析されたSUVの値には若干の差を確認することができた。ディジタルデータと実測データのSUVの相関が認められたことで、ディジタルデータによる他施設とのSUV比較ができる可能性が示唆された。今後は異なる放射能濃度での追加実験と、他施設とのSUV比較を拡大して行う必要がある。

15

骨シンチSUV算出ソフトウェアのファントムにおけるSUV評価についての検討

発 表 者 野口 輝也 (熊本地域医療センター放射線部)
共同研究者 阿蘇品 彩奈1) 古嶋 昭博2)
1)熊本地域医療センター放射線部
2)熊本大学生命資源研究・支援センター

【目的】
骨シンチSUV(standardized uptake value)算出ソフトウェア(以下、骨SUVソフト)の新規導入に伴い、当院の2検出器型ガンマカメラSPECTシステムによるファントムにおけるSUV算出および評価について検討した。

【方法】
NEMA-Body-Phantom中のホット球(直径10mm, 13mm, 17mm, 22mm, 28mm, 37mm)とバックグラウンドのTc-99m放射能濃度比が4:1となるように調整した。東芝製Symbia-Eを用いてLEHRコリメータで5.25分、7.5分、12.75分と収集時間を変えてSPECT撮像を行った。前処理としてのbatterworth、hanning、gaussianの3種類のフィルター、減弱補正としてのChang法及び空間分解能補正法の組み合わせと各処理条件を変えて再構成を行い、骨SUVソフト(ソフト名称、メーカー名)によりSUVを算出して理論値と比較した。

【結果】
減弱補正なしの場合、ホット球17mm径まではSUVpeakが1より若干低い値となり、ホット球の径が大きくなるほどその値は大きくなったが最大で2.6程度と理論値4よりは低い値となった。空間分解能補正を行った場合、ホット球22mm径、28mm径及び37mm径のSUVpeakが補正しない場合より高い値となった。hanningフィルターによる前処理はbatterworthフィルターより若干低い値となった。
減弱補正ありの場合、ホット球37mm径のSUVpeakはhanningフィルターが最も理論値に近くなり、batterworthとgaussian の両フィルターでは理論値よりも大きくなった。空間分解能補正を行うとホット球22mm径、28mm径及び37mm径の値は更に高くなり理論値を超えることもあった。

【結論】
当施設の装置ではⅩ線CTによる減弱補正が出来ないため、臨床検査でのSUV算出には減弱補正を考慮に入れていない。今回のファントムによる実験結果より、減弱補正を行わない場合のSUVは理論値より小さくなり、一方、Chang法による減弱補正及び空間分解能補正は理論値を過大評価することもあった。このようにSUV算出は画像処理や各種補正に大きく影響されることが分かった。
臨床検査において当施設のようなSPECTシステムではSUVを絶対評価値として用いることはできないが、過去画像との比較において、数値の変化による相対的評価には有用であると考えられる。

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SPECT収集方法の違いによるコリメータ開口径補正効果の検討

発 表 者 石橋 恵実 (九州大学病院)
共同研究者 粟元 伸一1) 氷室 和彦1) 筒井 悠治1) 野口 佳孝1) 梅津 芳幸1)
1)九州大学病院

【目的】
SPECT画像再構成におけるコリメータ開口径補正は、コリメータの開口幅とコリメータ表面からの距離をパラメータとした分解能の劣化関数を用いて行う。通常、この劣化関数はガンマカメラが静止して収集した場合を想定しており、Continuous収集のように連続移動しながら収集した場合は想定していない。そこで今回、我々はStep & Shoot収集とContinuous収集の空間分解能を比較することにより、両者の開口径補正による影響を検討した。

【方法】
発泡スチロール製の直方体に線線源(99mTc:50 MBq/ml溶液を封入)をX、Y軸方向に回転中心部から一定間隔をおいて配置した。SPECTの回転軌道は頭部検査を想定した半径150 mmと体部検査を想定した半径250 mmの円軌道に設定した。View数は40、50、60、72、90、120の6種類を使用し、Continuous収集とStep & Shoot収集で収集した。画像再構成はFBP法とコリメータ開口補正を組込んだ3D-OSEM法を用いた。再構成画像より線線源部分の放射方向と接線方向のプロファイルカーブから半値幅を算出し、中心位置からの距離における空間分解能を比較した。

【結果】
FBP法と比較して、3D-OSEM法の空間分解能はContinuous収集で最大約47%、Step & Shoot収集で最大約43%改善した。ここで3D-OSEM法に着目し、最も中心に近い点の半値幅を基準値とする。放射方向の半値幅は、全ての収集条件で基準値に対し10%以内であった。接線方向の半値幅は、Step & Shoot収集において、基準値に対し頭部で7%以内、体幹部で13%以内であった。一方、Continuous収集において、View数が少ない場合、回転中心から離れるに従って半値幅が大きくなった。40Viewの末端点の半値幅は、基準値に対し頭部で約20%、体幹部で約113%高い値となった。View数が90以上のとき、Continuous収集の空間分解能は、Step & Shoot収集と同等であった。

【結論】
コリメータ開口径補正の効果はContinuous収集、Step & Shoot収集共に空間分解能の改善に有効であるが、Continuous収集の接線方向の空間分解能はView数が少ない場合Step & Shoot収集よりも低くなった。

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核医学領域の放射線に対するX線防護衣および防護用衝立の遮蔽能力評価
消滅放射線および99mTcガンマ線に対する検討

発 表 者 本多 武夫 (独立行政法人国立病院機構九州医療センター)
共同研究者 渡辺 武美1) 横山 雄一2) 島本 惟3) 松永 博3)
1)独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター
2)国立がん研究センター中央病院
2)独立行政法人国立病院機構長崎医療センター

【目的】
核医学分野においては,有益な医療行為を妨げることなく医療従事者の放射線管理を行うことが求められている.放射線管理に必要な放射線からの遮蔽能力を示す実効線量透過率データにおいては,(財)原子力安全技術センターが発行している「放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル」以下「実務マニュアル」及び「放射線施設の遮蔽計算実務(放射線)データ集」に示されている. しかし,「実務マニュアル」におけるデータを得るためのジオメトリは,各施設の診療環境におけるジオメトリとは異なると考えられる.そこで今回,消滅放射線および99mTcガンマ線を用い,防護用具を配置した際の1㎝線量当量率の防護用具が無い場合の1㎝線量当量率に対する比を診療環境における透過率として評価し,さらに, 「実務マニュアル」に示されている実効線量透過率と比較検証したので報告する.

【方法】
1㎝線量当量を測定することにより得られる防護衣および衝立の透過率を診療環境透過率と定義し,消滅放射線と99mTcガンマ線に対する診療環境透過率を取得した. 次に,得られた診療環境透過率と「実務マュアル」に示される鉛厚の実効線量透過率データを比較し検討した.

【結果】
消滅放射線の診療環境透過率は, 無鉛防護衣94.8% 2mm鉛当量ガラス衝立60.6%,5mm鉛衝立38.1%であった. 99mTcガンマ線においては, 無鉛防護衣69.0% 2mm鉛当量ガラス衝立7.5% 5mm鉛衝立6.9%であった. 消滅放射線の各防護用具における診療環境透過率と実効線量透過率との比較は,何れの防護用具においても実効線量透過率が高い結果となった. 99mTcガンマ線においては,無鉛防護衣においては実効線量透過率が高い結果となったが,2mm鉛当量ガラス衝立・5mm鉛衝立においては診療環境透過率が高い結果となった.

【結論】
放射線管理を安全に行うには,自施設における所有の防護用具を用い,診療現場における透過率データを取得・整備する必要がある.

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TOF-PETの頭部画像における定量値への影響

発 表 者 上川 洋平 (大分大学医学部附属病院)
共同研究者 工藤 伸也1) 濱田 智広1) 中山 晃一1) 清末 一路1)
1)大分大学医学部附属病院

【目的】
以前、PSF補正により定量値へ与える影響の程度について報告した。今回、TOFおよびTOFにPSF補正を加えたものが定量値に与える影響の程度について明らかにした。

【方法】
使用機器はBiograph mCT(Siemens)、ホフマンファントム(18F-FDG、Activity:20MBq)を使用した。収集条件は、収集時間:30分、撮像マトリクス:256×256 とし、再構成は、OSEM(iteration:6、subset:24)とOSEM+TOF(iteration:2、3、4、5、6、subset:21)、OSEM+TOF+PSF(iteration:2、3、4、5、6、subset:21)を用いた。その他の再構成条件は同一とした。評価方法は①ピクセルレベルでの定量値への影響の程度を調べる目的で、視床レベルでの水平断面にてプロファイルカーブを描出した。ピークに当たる部分にて、OSEMと、OSEM+TOF、OSEM+TOF+PSFについて、カウント値の比較を行った。②標準脳にあてはめた場合の影響を調べる目的で、3DSRT解析を行った。標準脳の各部位のカウントに関してOSEMとOSEM+TOF、OSEM+TOF+PSFにつき比較を行った。

【結果】
プロファイルカーブ:OSEMとOSEM+TOFを比較した場合、形状に大きな差は見られなかった。最大6%カウント値の上昇が見られた。OSEMとOSEM+TOF+PSFを比較した場合、ピークにあたる部分でカウント値の上昇が見られた。カウント値は最大で16%上昇した。②3DSRT:OSEMとOSEM+TOFを比較した場合、値に大きな差は見られなかった。視床にて 最大で1.6%の上昇が見られた。OSEMとOSEM+TOF+PSFを比較した場合、一部で値の上昇が見られた。最も値の差が見られたのは視床で、最大4.8%の上昇があった。一方、レンズ核や頭頂などは大きな差は見られなかった。

【結論】
OSEM+TOFはOSEMのみと比較して画質の改善が見られた。カウント値に大きな差は見られなかった。OSEM+TOF+PSFも画質の改善が見られたが、ピクセルレベルでカウント値の変動は最大16%であった。標準脳にて比較した場合、カウント値の変動は最大4.8%であった。標準脳でのカウント値の変動は、OSEM+PSFに比べ、若干の増大が見られた。

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PET自動投与装置のRIチューブライン残存率検証の試み

発 表 者 成末 彰博 (佐賀大学医学部附属病院放射線部)
共同研究者 石井 佳織1) 岡本 裕人1) 光岡 美幸1) 大串 玲加1)
山下 春香1) 近藤 哲矢2) 大塚 貴輝2)
1)佐賀大学医学部附属病院放射線部
2)佐賀大学医学部附属病院放射線医学教室

【目的】
PET検査において患者への投与RI量は、投与時の放射能量、投与後のバイアルの残液RI量とチューブライン残存RI量より算出する。正確な投与RI量の算出にはチューブライン残存RI量の算出が必要であるが自動投与装置では一律に2%と設定しているのが現状であり、また高価な薬剤を用いて投与精度の実測を行うことは難しい。今回デリバリー施設でも推定可能な、RIのチューブライン残存率について検討したので報告する。

【方法】
入荷したFDGをドーズキャリブレータにより放射能量の測定を行い検査日、検定時間別に検証した。投与後のバイアル残液RI量の実測を行い、入荷RI量から投与装置の示す投与RI量、残液RI量を減算することによりチューブライン残存RI量を求めた。すべての放射能量の比較は検定時間で検討した、また同一検査日においては直前の投与の影響があると考え検査日の初回のデータのみについて検証した。さらに残液RI量と実測したバイアル残液RI量にはそれぞれ誤差が生じていると考え、残液RI量に対する投与後の実測したバイアル残液RI量と投与装置の残液RI量の差分の比を求め、その差40%以下の初回データについて入荷量とRIのチューブライン残存率の関係を求めた。さらに30、20,10,5,2.5%以下の初回データについてそれぞれ同様の検討を行った。求めたグラフより最適と思われるデータ範囲を選び、その回帰式より入荷RI量に対するRIのチューブライン残存率を求めた。

【結果】
入荷した薬剤の用量は、202MBqから209MBqのばらつきがあった。全ての検定時間において平均値は約205MBqであったが、第1検定時間に比べ第2、3検定時間では値のばらつきが大きかった。投与後の実測したバイアル残液RI量の入荷RI量に対する割合は、入荷RI量との相関はなかったが、投与装置の示す残液RI量より高い傾向があった。データを検査日の初回のデータに限定した場合、残液RI量との差は小さくなった。入荷RI量とRIのチューブライン残存率の関係は、データ数と相関係数を考慮して初回データで10%以下のデータより求めた回帰式を使用して、入荷RI量とチューブライン残存率の関係を算出した。

【結論】
入荷RI量が多くなるとRIのチューブライン残存率も増加することが示唆された。

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